メインコンテンツへスキップ
約14分で読めます

飲食店の休憩の回し方|ホール・厨房を空けない交代表と遅れた日の直し方

飲食店の休憩の回し方。ホールと厨房を空けずに交代する。

飲食店の休憩は、「誰を、何時から何時まで休ませ、その間を誰が代わるか」まで一緒に決めると、具体的な順番に落とし込めます。出勤人数だけで判断せず、休憩中もホール・厨房それぞれに必要な人数が残るかを確認するのが基本です。

忙しさに任せて休憩を後倒ししている店長に向けて、5人で交代する架空の完成例、同時休憩で不足する例、開始が15分遅れた日の修正表を示します。自店の勤務表へ休憩開始・終了・代役・役割別残人数を追加し、「順番を変えれば回る日」と「応援などがなければ回らない日」を分けて判断しましょう。

休憩は「順番・代役・戻る時刻」を一緒に決める

「落ち着いた人から休憩に入って」では、誰が持ち場を引き受けるのかが決まりません。責任者が休憩者と代役を指定し、戻る時刻まで勤務表に書き込みます。

作成する順序は、次のとおりです。

  1. 時間帯ごとのホール・厨房の必要人数を決める。
  2. 各人の勤務途中に、必要な休憩を取れる時間帯を探す。
  3. 代役の候補が少ない担当から、休憩と交代者を仮置きする。
  4. 代役自身の休憩も入れ、交代の前後で人数を確認する。

休憩者の名前だけでなく、代役の名前も埋まったところで、初めて実行できる計画として扱います。

出勤人数と稼働人数を分ける

店に5人いても、1人が休憩し、もう1人が買い出しに出ていれば、その時間にホール・厨房で働けるのは3人です。「出勤している」と「持ち場を担当できる」は分けて数えてください。

役割別の確認では、その役割に配置した勤務者から、休憩・他業務・引継ぎなどで持ち場を外れる人を除くという考え方を使います。同じ人を重複して差し引かず、最後は残る氏名を並べて検算しましょう。

ホールと厨房の両方を担当できる人も、同じ時間にはどちらか一方へ配置します。「兼務できるから2人分」と数えることはできません。

Excelで休憩を除いた人数を計算する場合は、時間別人数を集計する手順も確認できます。

休憩を回す前にそろえる条件

まず、当日の勤務時間だけでなく、必要な休憩時間、担当できる仕事、繁忙帯、引継ぎにかかる時間をそろえます。条件が空欄のまま、休憩時刻だけを書き始めないことが大切です。

勤務時間と必要な休憩を人別に確認する

出勤から退勤までの時間と、休憩を除いた実際の労働時間を分けて確認します。法定休憩の基準は、次のとおりです。

1日の労働時間法定休憩の最低時間
6時間以下(6時間ちょうどを含む)労働基準法第34条による付与義務なし
6時間を超え、8時間未満45分以上
8時間ちょうど45分以上
8時間を超える60分以上

2026-09-21時点の厚生労働省の説明では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上の休憩が必要です。「6時間以上」「8時間以上」ではない点を区別してください。(厚生労働省)

ただし、店の就業規則や雇用契約で、法定の最低時間より長い休憩を定めている場合は、その条件を勤務表に反映します。たとえば実働8時間・所定休憩60分の人を、法定の最低時間が45分だからという理由で45分に縮める計画にはしません。正社員だけでなく、アルバイトも人別に確認しましょう。

また、休憩は労働時間の途中に設け、自由に利用できる時間として確保する必要があります。退勤時刻に休憩を付け足して帰ってもらう形ではなく、休憩後に勤務へ戻る計画にします。(厚生労働省)

飲食店などの接客娯楽業は、一斉休憩の適用除外に含まれ、交代で休憩を与えられます。ただし、交代制でも途中付与と自由利用は必要です。(群馬労働局)

ホール・厨房の必要人数と代役を決める

自店の条件は、次の項目で整理します。人数は店全体の合計ではなく、役割別・時間帯別に記入してください。

確認する項目勤務表へ反映する内容
人別の出退勤出勤・退勤時刻、早退や勤務変更の予定
必要な休憩法定休憩と店の規定を踏まえた分数
担当可能業務ホール、厨房、その中で任せられる仕事
時間帯別必要人数ホールと厨房それぞれに残す人数
繁忙帯・他業務予約集中、仕込み、納品対応などの時間
交代・引継ぎ所要時間、代役が持ち場に入れる時刻

代役は「ホール経験あり」だけで決めず、休憩者が受け持っている仕事を引き継げるかまで確認します。厨房なら、調理と洗い場では必要な技能が異なる場合があるためです。

新人の指導を伴う日は、指導担当を営業人数と重ねて数えないよう、新人とベテランの配置例も確認してください。

退勤が早い人や、特定の人しか代われない担当は、休憩を置ける時間帯が限られます。そうした人から仮置きし、最後に店長や交代要員の休憩が抜けていないかを確認します。

5人の交代表で休憩の回し方を確認する

ここからは、架空の飲食店の計画例です。全時間帯でホール2人・厨房2人が必要という条件を固定します。これはこの店の設定であり、飲食店共通の配置基準ではありません。

まず全員の勤務と担当を並べる

全員が10:00〜19:00勤務で、店の規定により各60分休憩、予定実働は8時間です。Mはホール・厨房のどちらも担当できますが、同時に2役としては数えません。

スタッフ出勤〜退勤担当可能業務所定休憩予定実働
A10:00〜19:00ホール60分8時間
B10:00〜19:00ホール60分8時間
C10:00〜19:00厨房60分8時間
D10:00〜19:00厨房60分8時間
M10:00〜19:00ホール・厨房60分8時間

拘束9時間から休憩1時間を引くため、各人の予定実働は8時間となります。

以下の表は、各休憩の開始前に引継ぎが済み、開始時刻には交代者が持ち場に到着している前提です。移動や引継ぎで必要人数を下回る場合は、その時間も含めて別途調整してください。

悪い例:違う担当でも同時休憩で不足する

AとCを14:00〜15:00に同時に休ませると、残るのはB・D・Mの3人です。必要なのはホール2人・厨房2人の計4人なので、担当が違う2人を休ませても成立しません。

14:00〜15:00のMの配置ホール厨房不足
Mをホールへ配置B・M:2人D:1人厨房1人
Mを厨房へ配置B:1人D・M:2人ホール1人

Mを両方の欄へ書けば表の数字はそろいますが、実際には1人不足したままです。修正するには、AとCの休憩を重ねず、Mが片方ずつ代わる形にします。

Mはホールか厨房の片方を担当。担当可能でも同時に2人分とは数えません。
Mはホールか厨房の片方を担当。担当可能でも同時に2人分とは数えません。

図を拡大して見る

修正版:代役をホールと厨房へ順に回す

この例では、Mが14:00以降に連続して代役を務めるため、M自身の休憩を13:00〜14:00に確保します。その後、A、C、B、Dの順に1人ずつ交代します。

順番休憩する人休憩開始休憩終了休憩中の代役・対応
1M13:0014:00A・BとC・Dで必要人数を維持
2A14:0015:00Mがホールを担当
3C15:0016:00Mが厨房を担当
4B16:0017:00Mがホールを担当
5D17:0018:00Mが厨房を担当

続いて、休憩者を除いた配置を時間帯別に確認します。休憩のない時間は、Mをホールに配置する例としました。

時間帯休憩者ホールの配置・残人数厨房の配置・残人数
10:00〜13:00なしA・B・M:3人C・D:2人
13:00〜14:00MA・B:2人C・D:2人
14:00〜15:00AB・M:2人C・D:2人
15:00〜16:00CA・B:2人D・M:2人
16:00〜17:00BA・M:2人C・D:2人
17:00〜18:00DA・B:2人C・M:2人
18:00〜19:00なしA・B・M:3人C・D:2人

全員が60分ずつ休み、すべての時間帯でホール2人・厨房2人以上を維持しています。Mの二重計上もありません。最後のDは18:00に戻り、19:00まで勤務するため、休憩は勤務途中に収まります。

この条件では同時に休ませられるのは1人なので、5人分で合計5時間の休憩枠が必要です。最後の1人まで入るかを確認してから、最初の休憩を決めましょう。

代役M自身の休憩も含め、M→A→C→B→Dの順に各60分を確保した架空例。
代役M自身の休憩も含め、M→A→C→B→Dの順に各60分を確保した架空例。

図を拡大して見る

交代時刻と引継ぎ完了を確認する

表が成立していても、交代の瞬間に持ち場が空けば実行できません。責任者は、休憩に出る人へ声をかける前に、次の3点を確認します。

  • 代役が必要な情報を受け取っているか。
  • 代役が持ち場に到着しているか。
  • 休憩から戻る人が、予定どおり担当へ復帰できるか。

表の14:00〜15:00は、14:00にAが休憩へ入り、15:00にAが復帰してCと交代する区間です。15:00にAがまだ戻っていなければ、Cを予定どおり休憩へ出すことはできません。

確認するのは毎時ちょうどだけではなく、出退勤、休憩開始・終了、担当変更、他業務や引継ぎ、必要人数が変わるすべての時点です。引継ぎで持ち場を離れる時間があれば、その間も人数を数え直します。

休憩開始が15分遅れた日の直し方

同じ架空例で、接客が長引き、Aの休憩開始が14:00から14:15へ遅れた場合を考えます。Aだけを書き換えず、後続の休憩とMの配置までまとめて修正します。

後ろの休憩を重ねずにずらす

Aの終了を15:00のままにすると、休憩は45分となり、この店の所定休憩60分を満たしません。そこで終了を15:15に変更し、C以降も15分ずつ後ろへ移します。Mの13:00〜14:00は変更しません。

休憩する人修正後の休憩代役・対応休憩中のホール休憩中の厨房
M13:00〜14:00A・B、C・Dで維持A・B:2人C・D:2人
A14:15〜15:15MがホールへB・M:2人C・D:2人
C15:15〜16:15Mが厨房へA・B:2人D・M:2人
B16:15〜17:15MがホールへA・M:2人C・D:2人
D17:15〜18:15Mが厨房へA・B:2人C・M:2人

15:00〜15:15も、Cは厨房に残します。古い予定を見てCが15:00に休憩へ入ると、AとCの休憩が重なり、先ほどの悪い例と同じ不足が生じるためです。

14:00〜14:15は全員が勤務し、Mをホールに配置して3人・2人を維持します。10:00〜13:00も同じ配置で、最後はDが18:15に復帰し、18:15〜19:00もホール3人・厨房2人です。

この修正なら全員60分を確保し、Dも19:00の退勤前に戻れます。ただし、これは退勤までに余裕がある今回の例だから成立する修正です。後ろへずらして勤務途中に収まらない場合は、応援や業務の変更が必要になります。

15分遅延は後続の休憩を順に修正。代役欠勤による不足は別の対応が必要です。
15分遅延は後続の休憩を順に修正。代役欠勤による不足は別の対応が必要です。

図を拡大して見る

変更した本人・代役・責任者へ伝える

表を直すだけで終わらせず、変更対象のA・C・B・D、代役のM、当日の責任者で新しい時刻を共有します。「15分遅れています」ではなく、誰が何時から何時まで休むかを具体的に伝えてください。

たとえば「Aは14:15〜15:15、Cは15:15開始。15:15まではC・Dで厨房、Mはホール」と指示すれば、変更直後の配置まで確認できます。

予定と実績は別欄に残します。実際の休憩開始・終了、呼出しで中断した区間、残りの休憩時間を記録し、必要なら勤務途中へ再配置しましょう。退勤時刻が変わった場合も、残る全員の休憩と役割別人数を再確認します。

順番だけでは回らない日は条件を変える

休憩時刻を動かしても成立しない日があります。判断の分かれ目は、「休憩に出る人を除いても、必要な役割を担当できる人が残るか」です。

代役が欠勤したら不足を未解決として扱う

今回の例でMが欠勤すると、出勤者はA・B・C・Dの4人です。必要人数もホール2人・厨房2人の計4人なので、誰か1人が休憩へ出た時点で不足します。

Aを先にしても、Cを先にしても結果は変わりません。この条件では、順番変更だけで休憩を回すことはできないと判断します。

対応は、次のいずれかの条件を実際に整えることです。

  • ホール・厨房の両方を担える応援者を確保し、勤務できる時間と本人の休憩も確認する。
  • 責任者が提供サービスや受入数などを変更し、変更後の業務に必要な配置を改めて定める。

「応援を頼んだ」は「応援が確保できた」とは違います。担当できる仕事、到着時刻、引継ぎ、勤務終了まで決まるまでは、不足を未解決として扱ってください。

また、表を成立させるためだけに、今回のホール2人・厨房2人を1人ずつへ下げてはいけません。サービスや作業量をどう変更するかという責任者の判断と、現場での実施が先です。

電話や接客をしながらの休憩にしない

人数が足りないからといって、「食事をしながら電話だけ取って」「呼ばれたら戻って」という運用で休憩欄を埋めないようにします。

厚生労働省は、労働から離れることが保障されていない待機時間を休憩に含めず、昼休み中の電話・来客対応も労働時間としています。電話当番や呼出しへの対応を求められる待機を、休憩取得として数えることはできません。(厚生労働省)

交代時には、接客や調理だけでなく、電話、会計、問い合わせ対応を誰が引き受けるかも決めます。休憩者を連絡先として残さない運用にしてください。

途中で業務に戻った場合は、予定の60分をそのまま取得済みにせず、業務をした区間を分けて記録します。そのうえで、残りの休憩と代役を再配置し、実際に業務から離れられた時間を確認しましょう。

毎日のシフト管理では予定と実績を見直す

自店へ取り入れる際は、今ある勤務表に次の項目を追加すれば、休憩交代の判断を始められます。人別の休憩予定と、時間帯別の配置を分けて持つと、確認する対象が明確になります。

追加する項目記入する内容
休憩予定開始時刻、終了時刻、必要な分数
代役氏名、交代中に担当する役割
引継ぎ完了予定、実際の完了確認
役割別残人数各時間帯のホール人数・厨房人数
取得実績実際の開始・終了、中断区間、取得分数、残り分数
変更記録変更した時刻・理由、責任者、関係者への連絡状況

毎日のシフト管理では、同じ表をコピーして終わりにせず、役割、必要人数、勤務条件を更新します。予約が増えた日、担当できる人が変わった日、早退がある日は、前日の順番がそのまま使えるとは限りません。

休憩が遅れた理由も次回の計画に戻します。引継ぎに時間がかかったなら交代前の時間を確保し、特定の時間帯に業務が集中したなら、その時間帯の必要人数や他業務の予定を修正します。

この表の対象は、当日の休憩交代です。月全体の自動割当、Excelの数式、個別の労務紛争の判断、新人教育計画までは扱いません。自店の技能と勤務条件の確認、応援や受入数の調整は、責任者が実際に行う作業として残ります。

確定前に休憩時間と役割別人数を確認する

休憩順を確定する前に、次の項目を勤務表と照らし合わせてください。

  • 全員について、法定休憩と店の規定を満たす時間を確保したか。
  • 店長や代役自身の休憩も入っているか。
  • 休憩後に勤務へ戻れる時刻になっているか。
  • 代役がその仕事を担当でき、引継ぎと移動も間に合うか。
  • 全変化点でホール・厨房の必要人数を維持しているか。
  • 兼務者を二重計上せず、遅延や欠勤による未解決の不足を残していないか。

勤務案を作る段階から条件を整理したい場合、シフトラでは担当スキル・必要人数・個人の勤務条件を勤務案の作成に反映し、確定シフトの休憩時刻を手動で調整する運用につなげられます。勤務案の生成と、当日の休憩調整は分けて扱います。(シフトラ)

ただし、この交代表の自動生成や、代役の到着・休憩取得実績まで確認済みになるという意味ではありません。まずは今日の勤務表に「休憩開始・終了・代役・役割別残人数」を記入し、成立する順番と、追加対応が必要な不足を明確にしましょう。

シフトラの資料請求はこちら。

休憩のたびに持ち場の配置を組み直している店長へ

担当できる仕事と必要人数を、勤務案に反映する。

シフトラは、スタッフの担当スキル、時間帯ごとの必要人数、勤務条件をもとにシフト案を作成します。確定した勤務を確認し、休憩時刻は手動で調整できます。

  • 担当スキルと必要人数を整理
  • 勤務条件を反映したシフト案を作成
  • 確定シフトの休憩時刻を手動調整

当日の交代指示、引継ぎ、休憩取得実績の確認は店舗で行います。この記事の交代表の自動生成を保証するものではありません。

機能・料金・導入の流れを見る 資料を請求する
目次