保育園の土曜保育シフトは、勤務できる日時と担当できる役割で候補を絞り、休憩中も必要な体制が続く組合せを作ってから、当番の日数・時間を比較する順で決めます。回数の少ない人から並べるだけでは、責任者役が不在になる時間や、本人が勤務できない枠を見落とします。
翌月の登園予定、職員の勤務可否、園で確認した必要人数、過去の当番実績がそろっている園長・主任に向けて、5回ある月の当番案と、交代・取消後の実績を翌月へ引き継ぐ手順をまとめました。本文の表は、既存の当番表へコピーして使えます。
土曜保育の当番は「入れる人」から条件を満たす順で決める
作業は次の順に進めます。
- 土曜日ごとの登園予定と、時間帯別の必要人数・資格・役割を確認する。
- 職員の勤務可否、勤務可能時間、担当できる役割を重ねる。
- 候補が限られる日と役割から仮置きする。
- 条件を満たす候補の中で、過去実績と当月予定の日数・時間を比較する。
- 全時間帯の配置、平日との整合、本人の回答を確認して確定する。
- 勤務後は実績を記録し、翌月の比較に使う。
埋まらない枠は、無理に名前を入れず「未確定」として残してください。当番案を作ることと、全枠を確定できることは別です。
担当回数だけで順番を決めない
2時間の代替勤務も、6時間の通し勤務も、担当日数では同じ「1日」です。日数だけをそろえると、時間の偏りが見えなくなります。また、保育士資格を確認済みでも、園内の責任者役を担当できるとは限りません。
そこで、比較期間と選び方を先に共有します。本例では、配置条件を満たす組合せを作り、過去実績と当月予定の日数・時間を並べて点検します。担当できる枠や役割が異なるため、全員を同じ回数にすることだけを正解にはしません。
家庭事情や属性ではなく、本人が回答した勤務可能範囲と、担当条件・実績を判断材料にしましょう。
当番表を作る前に3つの表をそろえる
用意するのは、必要条件表・勤務可否表・過去実績表の3つです。別々の書式でも構いませんが、職員名、日付、勤務枠の表記はそろえてください。
以下は、9月の実績を持って2026年10月の案を作り、10月末まで運用した場合を想定する架空例です。実在する園の配置や勤務実績ではありません。
園で確認した人数・役割・休憩の条件を書く
架空の園では、A〜Fの6人全員について、必要な保育士資格と担当条件を確認済みとします。園内の責任者役を担当できるのはA・B・Cの3人です。
各土曜の登園予定を踏まえ、次の園内条件が確認できているものとします。
- 対象時間は9〜16時。
- 保育担当を常時2人以上配置する。
- そのうち責任者役を常時1人以上配置する。
- 休憩中の職員は、保育担当人数にも責任者役にも数えない。
この「2人・責任者役1人」は、説明用の架空の園内条件であり、全国共通の法定配置人数ではありません。 自園では、適用される基準、資格、園児の状況、安全管理上の条件を確認して置き換えます。
公的資料の確認先として、こども家庭庁「保育」の配置基準欄には、職員配置基準の改善等に関する基礎資料が掲載されています。2026-09-22時点では、令和8年4月1日更新の資料への入口を確認できます。(こども家庭庁)
勤務枠は、次の3つに分けます。
| 勤務枠 | 勤務時間 | 休憩 | 本例の実働時間 |
|---|---|---|---|
| 通し1 | 9〜16時 | 11〜12時 | 6時間 |
| 通し2 | 9〜16時 | 12〜13時 | 6時間 |
| 代替 | 11〜13時 | 設定なし | 2時間 |
通し勤務の60分休憩は、この園の架空の運用設定です。法定休憩が一律60分必要だという意味ではありません。
厚生労働省は、休憩を、労働から離れることが保障された時間と説明し、単に作業をしていない手待時間とは区別しています(2026-09-22時点)。(厚生労働省)
このため、本例では給食・午睡への対応時間も保育担当として扱い、休憩には置き換えません。準備・片付け、別の園務、平日の勤務、休日、雇用契約などは、管理者が別表と照合する前提です。この表だけで総労働時間や労務上の適否を判定するものではありません。
勤務可否と前月の実績を並べる
2026年10月の土曜日は3・10・17・24・31日の5回です。勤務可否と9月実績を、次のように並べます。
| 職員 | 責任者役 | 9月実績 | 10/3 | 10/10 | 10/17 | 10/24 | 10/31 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 可 | 3日/18時間 | 通 | 代 | 不可 | 通 | 不可 |
| B | 可 | 2日/8時間 | 代 | 代 | 通 | 代 | 通 |
| C | 可 | 2日/12時間 | 不可 | 通 | 代 | 代 | 代 |
| D | 不可 | 1日/6時間 | 通 | 通 | 不可 | 不可 | 通 |
| E | 不可 | 1日/2時間 | 通 | 不可 | 通 | 通 | 不可 |
| F | 不可 | 0日/0時間 | 通 | 未回答 | 不可 | 不可 | 不可 |
可否記号の意味は、表の近くに残します。
- 通:通し・代替のどちらも勤務可能。
- 代:11〜13時の代替のみ勤務可能。
- 不可:その日の候補から除外。
- 未回答:確認が取れるまで割り当てない。
Fの10/10は、予定が空いているのではなく、勤務できるか分からない状態です。未回答を「通」に読み替えてはいけません。
この例で最初に持っている実績は9月分だけです。8月以前まで確認済みとはせず、全員を同じ9月の期間で比較します。共有台帳には勤務可能時間と担当条件を記入し、可否の理由や家庭・健康の詳しい事情は書かない運用にします。
5回ある月の土曜当番を割り当てる
まずは5日分を仮置きします。下表は、時間帯別の配置確認と本人確認を経て、当初予定として保存する一案です。唯一の最適解ではありません。
| 日付 | 通し1 | 通し2 | 代替 | 選定理由 |
|---|---|---|---|---|
| 10/3 | A | F | B | 通しの責任者役はA、休憩代替はBが必要。一般枠は9月実績0日のF |
| 10/10 | C | D | A | 通しの責任者役はC。Fは未回答のため一般枠はD。代替も責任者役3人で分担する案としてA |
| 10/17 | B | E | C | 通しの責任者役はB。Eは10/10・31が不可だが、この日は通し勤務が可能 |
| 10/24 | A | E | C | 一般枠で通し勤務ができるのはEのみ。責任者役はA、休憩代替はC |
| 10/31 | B | D | C | 通しはB・D、代替はC。第1週のA・Fは不可なのでコピーできない |
候補が限られる日と役割から埋める
10/3から順番に、単純な持ち回りで埋めるのではありません。先に5日分の候補を見渡し、選択肢の少ない枠を押さえます。
たとえば10/3は、責任者役のCが不可、Bが代替のみなので、通し1はAです。Aの休憩を引き継ぐ責任者役としてBも必要になります。通し2にはD・E・Fが入れますが、9月実績が0日のFを選びます。
10/10は、一般枠に入れるDを置きます。Fは未回答のため候補に含めません。10/17と24はE、10/31はDが一般枠の通し担当になります。
代替の10/10と24は、複数候補が残る枠です。この案では通し勤務と代替を3人で分担し、責任者役の当月予定をA14時間・B14時間・C12時間としています。10/10のA、10/24のCは、この月内の分担として選んだ一案です。
9月実績まで合わせると、A32時間・B22時間・C24時間で差は残ります。累計時間の少ない人を優先する園なら、10/10にBを置く案も比較対象です。ここでは、過去実績が最少の人を必ず選ぶ方式や、長期間の公平性の最適解を示しているわけではありません。自園で共有した選び方と本人確認に沿って決めてください。
このように、条件で決まった枠と、比較して選んだ枠を分けて理由を残すと、変更時にどこを再検討すべきか分かります。
休憩中も時間帯別の人数と責任者役を確認する
1日に3人出勤するだけでは、条件を満たしたことになりません。10/3を、出勤・休憩・退勤で担当が変わる4区間に分けます。
| 時間帯 | 保育担当 | 人数 | 責任者役 |
|---|---|---|---|
| 9〜11時 | A・F | 2人 | A |
| 11〜12時 | F・B | 2人 | B |
| 12〜13時 | A・B | 2人 | A・B |
| 13〜16時 | A・F | 2人 | A |
Aが休憩する11〜12時は、Bが責任者役を引き継ぎます。Fが休憩する12〜13時も、A・Bの2人が保育を担当するため、条件が続きます。
残る4日も同じ方法で確認します。通し1が休憩する11〜12時の組合せは、10/10がD・A、17日がE・C、24日がE・C、31日がD・Cです。いずれも2人おり、AまたはCが責任者役を担います。それ以外の区間は、通し1の責任者役が保育に入ります。
反対に、9月の日数が少ない順でF・D・Eを選ぶと、3人とも責任者役を担当できません。A・F・Dに替えても、Aの休憩中は責任者役が0人です。人数と役割は別々に数えてください。
引継ぎに保育担当から外れる時間が必要なら、その時間も区切って再確認します。表の境目がつながっていることだけで、引継ぎまで完了したとは扱いません。
候補が足りない日は未確定で残す
もし10/3のBが不可、または未回答だったら、現在の候補ではこの勤務枠の組合せは成立しません。Aの休憩中に責任者役を担当できる人がいないためです。
不足は「人が足りない」ではなく、たとえば次のように記録します。
10/3の代替は未確定。11〜12時の責任者役が1人不足。主任が責任者役を担える応援候補と勤務条件を確認する。確認期限は10/1の12時。
これは架空の記入例です。応援が見つかっても、資格・役割、勤務時間、本人の回答を確認してから確定します。人数や役割の条件を引き下げたり、休憩をなくしたりして表だけを完成させないでください。
不足枠を埋める本人相談の進め方は、関連記事「シフトの希望休が重なるときの調整方法」で、時間帯・役割の特定から回答記録、確定まで扱っています。(希望休が重なるときの調整方法)
交代・取消・欠勤後は予定と実績を分ける
当初予定を保存したら、変更後の確定予定と勤務実績を別に記録します。名前を上書きするだけでは、誰の予定が取り消され、誰が実際に担当したのか追えなくなります。
次は、10月末を想定した架空の実績例です。「担当者」の並びは、通し1・通し2・代替の順です。
| 日付 | 当初予定 | 変更後の確定予定 | 実際の担当・時間 | 変更・取消の記録 |
|---|---|---|---|---|
| 10/3 | A/F/B | A/F/B | A6時間・F6時間・B2時間 | 予定どおり |
| 10/10 | C/D/A | C/D/B | C6時間・D6時間・B2時間 | 代替をAからBへ交代。本人・役割・勤務条件を再確認 |
| 10/17 | B/E/C | 3枠とも取消 | 保育担当なし・0時間 | 所定手続きで臨時休園が決定済みという入力を受け、3人分を取消 |
| 10/24 | A/E/C | A/E/B | A6時間・E6時間・B2時間 | Cの欠勤に伴い、Bの代替勤務を確認して変更 |
| 10/31 | B/D/C | B/D/C | B6時間・D6時間・C2時間 | 予定どおり |
交代した当番は実際に担当した人へ記録する
10/10は、代替のAをBへ変更した想定です。Bは勤務可否表で「代」ですが、それだけで確定せず、対象日の11〜13時を担当することを本人に確認します。変更後の平日を含む予定や、別業務との重複も管理者が照合してください。
変更後の11〜12時はD・B、12〜13時はC・Bです。両区間とも2人以上で責任者役もいるため、この例の配置条件は維持されます。勤務後はBに1日・2時間を記録し、Aの当初予定を実績に加算しません。
10/24も同じです。Cの欠勤に対しBが代替を担当したなら、11〜12時はE・B、12〜13時はA・Bとなります。実績はBへ付け、Cには付けません。
別日の当番と交換した場合は、交換先だけでなく交換元も再確認します。一方の不足を直した結果、もう一方に不足を作らないためです。
取消は保育担当の実績と勤怠を分ける
10/17は、法人・自治体等の所定手続きで臨時休園が決定済みという情報を、管理者が受け取った設定です。当番回数をそろえるために休園を選ぶ例ではありません。 当初予定のB・E・Cを残したうえで、保育担当の3枠を取消と記録します。実施していない保育担当を、そのまま3人分の実績にしないことが要点です。
ただし、この台帳で保育担当が0時間でも、総労働時間や賃金が0になるとは限りません。別の園務への従事や休園日の勤怠上の扱いは、管理者が別途確認する事項です。ここで集計しているのは、土曜保育を実際に担当した日数・時間に限られます。
翌月へ引き継ぐ回数と時間を確かめる
集計は、次の定義でそろえます。
- 担当日数:土曜保育を実際に担当した日を1日と数える。同じ人が同日に複数枠を担当しても1日。
- 担当時間:休憩を除き、実際に保育を担当した時間を合計する。
- 取消・交代前の予定:当初予定欄には残すが、実績には加算しない。
前の変更表から集計すると、次の結果になります。
| 職員 | 9月実績 | 10月当初予定 | 10月実績 | 9〜10月実績 |
|---|---|---|---|---|
| A | 3日/18時間 | 3日/14時間 | 2日/12時間 | 5日/30時間 |
| B | 2日/8時間 | 3日/14時間 | 4日/12時間 | 6日/20時間 |
| C | 2日/12時間 | 4日/12時間 | 2日/8時間 | 4日/20時間 |
| D | 1日/6時間 | 2日/12時間 | 2日/12時間 | 3日/18時間 |
| E | 1日/2時間 | 2日/12時間 | 1日/6時間 | 2日/8時間 |
| F | 0日/0時間 | 1日/6時間 | 1日/6時間 | 1日/6時間 |
| 合計 | 9人日/46時間 | 15人日/70時間 | 12人日/56時間 | 21人日/102時間 |
合計欄の「人日」は職員ごとの担当日数を足した数で、保育を実施した土曜日の数ではありません。
10月実績のBは4日、Aは2日ですが、担当時間はどちらも12時間です。Bは代替3日と通し1日、Aは通し2日という違いがあります。回数だけで「Bの負担が2倍」とは判断できません。
また、10/17の取消は3人日・14時間です。当初予定の15人日・70時間からこれを除くと、12人日・56時間になります。交代前のAや欠勤したCが残っていないか、この合計でも確かめられます。
比較期間をそろえて二重に足さない
月別明細は残したまま、翌月の比較に必要な期間を取り出します。たとえば直近2ヶ月で比べる運用なら、次のように切り替えます。
| 作る当番案 | 比較に使う実績 |
|---|---|
| 10月案 | この開始例では、保有している9月分のみ |
| 11月案 | 9月+10月 |
| 12月案 | 10月+11月 |
11月案では、上表の9〜10月実績を比較材料にします。12月案を作るときは、9〜10月の繰越合計に11月を足すのではなく、10月と11月の月別実績から組み直してください。前者では3ヶ月分になってしまいます。
同じく、9〜10月の繰越合計に10月明細をもう一度足すと二重加算です。合計欄には「対象期間」を併記し、元の月別明細へ戻れるようにします。
Fの9〜10月実績が1日・6時間でも、それだけで11月の当番にはできません。11月の勤務可否と登園予定は新しく確認します。この開始例から、8月以前を含む長期的な公平性まで断定することも避けましょう。
自園の当番表へコピーする列と確定前の確認
既存の表へ追加するなら、次の列を使えます。原則として「日付×勤務枠」で1行を作り、当初予定は変更後も残してください。
| 日付 | 勤務枠 | 必要人数・役割 | 当初予定 | 変更後確定予定 | 実際の担当 | 実際の担当時間 | 変更・取消の記録 | 確認者・確定日時 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
たとえば10/10の代替行には、「11〜13時・責任者役1人/当初A/変更後B/実際B/2時間/AからBへ交代」と記入します。確認欄は「主任・2026-10-08 15時に変更確定」など、誰がいつ確認したかを残す形です。日時も架空の記入例です。
実績が未確認なら、0時間とはせず「確認待ち」と書き、対象日・職員・確認担当・期限を別の保留欄に残します。予定時間を実績欄へコピーして、確認済みの数字と混ぜないでください。
この例の11月への引継ぎメモは、次の内容になります。
- 比較期間:2026年9〜10月。
- 確定した土曜保育実績:21人日・102時間。職員別は集計表を参照。
- 実績の確認待ち:なしという設定。
- 未解決事項:11月の勤務可否、登園予定に対応する必要条件の確認。
- 過去の未回答:Fの10/10は収集記録に残し、11月の可否には転用しない。
確定前には、全時間帯の人数・役割、休憩と引継ぎ、平日の予定・休日・契約条件、本人回答を照合します。確定版には版番号や更新日時を付け、変更した日・枠とともに周知しましょう。
確定した勤務表から土日出勤日数を数える作業は、関連記事「エクセルで土日の出勤回数をカウントする方法」で扱っています。当番を決める作業とは分け、本稿の実績集計に使う際は取消・交代を反映済みか確認してください。(土日出勤回数の集計方法)
毎月の勤務可否と条件の確認を続ける
翌月は、月名だけを替えて前月の担当者を残すのではなく、勤務可否と必要条件を更新するところから始めます。過去の担当実績は候補を比較する材料であり、勤務できない人を配置する根拠ではありません。
毎月の依頼と案作成をまとめたい場合、シフト管理サービスのシフトラでは、LINE・メールによるシフト希望の回収・未提出確認と、自然な日本語で入力した人数・役割条件を踏まえたシフト案の生成を扱えます(2026-09-22時点)。(公式サイト)
入力する条件は、たとえば「9〜16時は保育担当2人以上、そのうち責任者役1人以上。休憩中の職員は人数に含めない」と具体化します。ただし、生成された案も時間帯ごとの確認が必要です。本稿の土曜実績台帳を自動集計・更新したり、全条件の成立や法的適合を保証したりする説明ではありません。
紙や表計算ソフトで運用する場合も、進め方は同じです。条件を満たす当番案と未確定枠を分け、本人確認を経て確定し、勤務後は実際の担当者・時間へ更新するところまでを、毎月の当番決定に含めてください。